漢方薬局 桃仁の薬草魔女ブログ
腸内環境を考える(免疫の暴走)
春の兆しが感じられるようになりました。
いかがお過ごしでしょうか?
コロナウィルスもいくらか落ち着いてきているようですが、まだまだ油断は出来ませんね。
日本でも、医療逼迫など大変な状況があり、多くの医療者のご尽力には心からの感謝と敬意を評し、
今後も気を引き締めて with コロナ の生活を工夫しながら過ごしていきたいと思います。
このコロナウィルス、世界中で蔓延してはいますが、世界と比べると日本は感染者数、
死者数は少ない方ではないかと感じます。
それを裏付けるような論文を最近チェックしています。
免疫という言葉はよく耳にすると思いますが、免疫の暴走が炎症やアレルギー、自己免疫疾患と関連
しているのはご存知ですか?
先ず、免疫の司令塔でもあるT細胞について簡単にお話しします。
このT細胞、いくつかの顔を持っています。
先ず、免疫グロブリン産生を促進するヘルパーT細胞、そして免疫の行き過ぎを抑える制御性T細胞、そしてウイルスや腫瘍を攻撃するキラーT細胞などに分かれます。
(これ以外にも免疫と関係するB細胞、マクロファージなどもありますが。)
免疫の暴走を抑える制御性T細胞、この働きが鈍いと炎症やアレルギーなどを引き起こす要因になります。
是非、制御性T細胞にしっかり働いてもらいたいですね。
その制御性T細胞を活性化させるのに、腸内細菌が鍵を握っているようです。
食物繊維の多い食事を摂ることで、腸内細菌の働きが活性化し、腸内細菌が作るクロストリジウム目の特に酪酸が、制御性T細胞を増やしているということが確認されています。
日本人は元々、食物繊維の多い食事を摂っていました。最近は欧米化で食生活も変わってはきていますが長年培ってきた日本食こそ、腸内細菌を活性化し、腸内環境を整えていたのではないかと思います。
それにより制御性T細胞の働きも良かったのではないかと推定されます。
コロナウィルスの感染者、死者数が世界と比べて少ないのも、関係しているのではないかと思います。